今日は私が2021年7月に実施された浄化槽設備士試験に2か月間の勉強で挑み、一発合格した具体的な方法をお伝えします。
まずは証拠として、浄化槽設備士免状の画像を載せます。
ちなみに原本は会社預かりとなっているため、コピーですのであしからず。
ちなみに私が勤める会社は浄化槽工事がメインの業務ではなく、実務的な知識はほぼゼロの状態から勉強をスタートさせました。ありのままをリアルに綴りますので、基本的にはここに書いてあることを真似していただければ短期間での合格は狙えると思います。
※ただし次回の合格を狙っている方は、「2か月前からやれば間に合うんだ!」という希望を持つのではなく、ぜひなるべく早く勉強をスタートさせることをお勧めします。私が余裕なかったので・・・
まずは過去問入手( 紙ベース)、『Tamaya』をブックマーク
どの試験もそうですが、まず最初にやるべきは情報収集です。敵を知らなければ勝てるはずがないからです。
ただ浄化槽設備士試験は他の建設業資格と比較すると受験者が少なく、
必然的に参考書や過去問集もあまり多く出回っていません。
その一方で、私自身勉強をしていて強く感じたのですが、『実務にさほど精通していなくても、過去問さえマスターしておけば合格できる試験』だと思います。
ただ(特に学科試験は、)同じようなパターンの問題が毎年出題されているため、そのパターンさえ覚えておけば合格点(60点)は上回ることができます。実務的な資格試験であるため、「いやいや、実務に詳しくなきゃ受からんでしょ」と思われる方もいると思いますが、そんなことはありません。私が実証済みですw
ちなみに余談ですが、今これを読んで下さっているあなたはきっと運転免許の学科試験を受けたことがあると思います。そのときに、どんな勉強をされましたか?
恐らく過去問や予想問題をとにかく解きまくって、合格点である90点を目指したと思います。
道路交通法の法律書で勉強をした方は一人もいないと思いますw
浄化槽設備士試験も運転免許試験と基本的には対策の仕方は同じで大丈夫です。
運転免許試験が「運転する前にこれぐらいのことは知っておいてね」という知識を問う試験だとすれば、浄化槽設備士試験は「浄化槽設備士として現場出る前にこれぐらいのことは知っておいてね」という知識を問う試験なはずです。
なにも最初から専門家レベルの知識は求められていません。
過去問は、「最低限これだけは知っておいてね」という実際に出題された問題をわざわざ見せてくれているので、
これを利用しない手はありません。
というわけで、前置きが長くなったのですが、とにかく過去問が命です!
まずは過去問を準備しましょう。
浄化槽設備士受験者にとっての過去問&解説書でほぼ一択となるテキストがコレです。↓
私が受験した時も試験会場にいる人がほとんどこの本を持っていましたw
過去問が多く載っており、解説もそこそこ詳しいので無難ではないかと思います。一方で、解説を読んでもいまいちピンと来ない箇所もあり、そんなときはネットやYouTubeで解説や関連動画がないかを検索していました。
ただし、合格するための過去問演習はこれ一冊だけでは不十分です。
ネット上でも過去問は閲覧できるのですが、個人的には紙の状態のもので準備した方が良いと思っています。自分が間違えた箇所や覚え方はガンガン書き込みましょう。
それと、浄化槽設備士受験者は絶対に知っておいた方が良いサイト『Tamaya』をブックマークしておきましょう。
個人の方が運営されているサイトなのですが、浄化槽設備士試験の過去問を10年掲載してくれています。↓
TAMAYAの浄化槽設備士講座URL http://www7b.biglobe.ne.jp/~yytamaya/
特に実地試験についての解説が分かりやすく、平易な言葉で書いてくれているので、とても役立ちました。
ぜひ活用してみて下さい!
過去3年分の正解肢だけを読む。
さて過去問が揃ったら早速勉強!といきたいところですが、いざ過去問を見てみると問題のボリュームと用語のワケ分からなさにやる気をなくすと思いますw
かくいう私がそうだったので、気持ちが良く分かります。
なんせ学科試験だけでも1回分の問題が計50問。制限時間3時間のボリュームなので、
選択肢1~4×50問=200の選択肢。全部目を通すと思うと目が回ります。。。
そこでオススメなのがズバリ『正解肢だけを読む』ことから勉強を始めることです。
つまり最初から答えを見てしまうという、一見邪道なやり方をオススメします。
例を挙げると・・・
例えばこの問題は正解が③番の選択肢なので、③番の選択肢だけを読みます。
つまり、『不適当なもの』が③なので、③のどこが不適当なのか、解説を読みます。
解説には、
配管の起点における土かぶりは、荷重の掛かる場所では一般に30cm以上とすることが望ましい。
(解答解説より)
と書いてあります。
なので、これを暗記します。
つまりこの問題では本来「30cm以上」となるべき土かぶりを「20cm以上」と記載して、受験者と引っ掛けようとしているので、この部分を暗記するのです。
※ちなみに浄化槽設備士試験の学科はほとんどが”不適当なものを選べ”という出題です。
暗記する際は、書かれている意味がよく分からなくても「恐らくこういうことを言いたいのかな?」と内容を少しでも理解しようと努めてください。
これをまずは1年分(50問)やってみてください。
その際の注意点なのですが、最初からすべての問題を100%理解しようとしないことです。
さっきは「理解しながら読め」と言っておいて、一見矛盾していますが、とても大事なことです。
どの年度もそうなのですが、いわゆる”変な問題”というのが毎年一定数出題されています。
当然国家試験なので、簡単にしすぎて合格率が8~9割もいってしまうと、試験の存在意義そのものが危ぶまれてしまうので、難易度は毎年上手く同程度になるように工夫されていると感じます。
ですので、特に勉強を始めたばかりの時期は”変な問題”を理解するために30分も1時間も悩むより、一旦飛ばして他の問題に移る潔さも必要です。
時間は限られていますし、1時間唸って正解した変な問題も、1秒で正解した超簡単な問題も同じ1点の価値です。
「トータルで合格点を取れれば良い」という考えを常に持ちましょう。
過去3年分の正解肢を音読で覚える。(ボイスレコーダー活用)
自慢ではないのですが、浄化槽設備士試験の対策のために机に向かった時間というのは日曜祝日にそれぞれ2時間ほどと、平日夜たまに30分机に向かうかという感じでした。(晩酌してしまった日は当然勉強できませんでしたw)
じゃあ、合格するための勉強時間はどうやって確保していたのかというと、私が勉強時間の大部分を割いたのが毎日の会社までの往復の通勤時間です。片道が車で約40分ですので、月~土までの毎日約1時間20分が勉強に使えました。
私は勉強する時期には、普段から彼女に「ブツブツ話すけど気にしないでね」と言ってありますw
それを言う事で勉強を応援してくれますし、家事も手伝わされなくて済みます(?)
ところで何故音読が良いかですが、聴覚と視覚を同時に刺激できるからです。
※コスパ最強のボイスレコーダー(ボイレコ)↓
学生時代に先生から「なるべく五感を刺激して勉強したら良いぞ!だから音読がいいんだ」と聞いたことがあります。
読むだけだと、視覚には残りますが、案外忘れやすいものです。そこで聴覚でも記憶に働きかければ、より勉強の効果が期待できます。(眠くなりにくいというメリットもあります)
ちなみに私は今回の浄化槽設備士試験で初めてボイレコを活用してみたのですが、これが大正解でした。
ぜひぜひ活用してみてください。ちなみにそれほど高価なものではなく、私が使っているものが4年前ぐらいに4000円ほどで買ったものです。リサイクルショップやメルカリでも手に入ると思いますので、半信半疑な方は安いもので試してみるのも良いかもしれません。
ここまでを2週間を目安に終わらせれば順調なペースだと思います!
どうでもいい話ですが、「五感を刺激する」と言っても、味覚と嗅覚を暗記に使う人っているのでしょうか?w
他の年度の過去問に挑戦!間違えたところをノートにメモ、ボイレコへ。
③までを実践していくと、3年分の過去問の中にも同じパターンの引っ掛け方や似たような問題が出ていることに気づくと思います。
ただし、まだまだ自信が持てないはずです。なんせ正解肢しか読んでいないのですから、とても過去問を解けるようなイメージが浮かばないと思います。
そこで、他の年度の過去問にぜひチャレンジしてみてください。
今度は答えを見ずに解いてみるのです。ただし50問は多いので10問ずつ区切って解きましょう。
解いてみたらあることに気づくはずです。
そう、「案外解けるじゃん!」と実感すると思います。
2級管工事試験の攻略法についても別の記事で書こうと思いますが、まったく同じやり方で、まったく同じ状況になりました。③までを実践することで5割(良いときは6割)ぐらいは正解できるようになりました。
ただし、まだまだ半分ぐらいは間違えますので、「どこを間違えたのか」、「どう間違えたのか」をボイレコやノートに残して通勤時間やスキマ時間で繰り返し聞く(読む)ようにしましょう。
ここまで前半1か月終了が目安だと思います。
正解の”番号”を覚えるのはやめましょう。つまり内容を理解せず、「この問題はたしか②が正解だったな」と”番号”で暗記してしまうやり方です。これはまったく意味がありませんし勉強した気になってしまうので危険です。あくまで「最低限の内容は理解しなきゃ受からない」ということは忘れないように気を付けましょう。そのため問題を解くときの番号の記入はルーズリーフや裏紙に書いて、毎回違うものを使いましょう。
ひらすら過去問を解く。過去5年分で毎回70点以上取れるまで繰り返す。
過去3年分の過去問ですべて70点以上取れるようになったら、いよいよ他の年度の過去問に挑戦します。
3時間計って、本番さながらの緊張感で静かな中問題に集中するのです!!!
・・・とまぁ、こんなことが言えたらカッコイイのですが、私はそこまでできませんでしたw
建設業に勤めておられる方なら分かると思いますが、土日といっても現場が動いていれば仕事関係の連絡が入ることもありますし、家庭のある方ならお子さんが「パパ~」と甘えてくるかもしれません。。
試験当日でもない限り3時間以上の時間を確保することはそう簡単なことではありません。
ですので私は、ここでも10問ずつに区切って問題を解くようにしていました。
10問ぐらいであれば長くても30分弱ぐらいで解き終わります。
10問ごとに答え合わせをすれば勉強のテンポも良く、「ハイ間違い!ボイレコ!ノート!」と潔くテキパキと取り組めます。
おまけにここまで勉強が進んでいれば、解くスピードが速くなっていることに気づくはずです。
私の場合は勉強をスタートさせたときの倍ぐらいのスピードでサクサク問題が解けるようになっていました。
各試験で70点以上取れるようになれば合格は固いでしょう。
実地試験対策は『Tamaya』の過去問10年分をやる。
ここまでは、ほとんど学科試験の対策にばかり言及してきました。
これには理由があって、実際に私自身が実地試験対策をしたのが試験前約3週間ぐらいの期間のみでした。
つまり勉強時間の大部分は学科試験対策に使いました。
ただ学科試験の対策で用語の意味はその都度調べていたおかげで、実地試験の過去問を読んである程度何が問われているのかが、ぼんやりとイメージできました。
①で紹介したTamayaの浄化槽設備士講座は実地試験の過去問を10年分載せてくれていて、しかも解説もついているので、かなりありがたい教材でした!
私は過去問を10年分プリントアウトして、問題に対する解答解説を、役者になったつもりで台本のように覚えましたw
ただ、学科試験対策との違いで気を付けた点としては、勉強時間のうち2割ぐらいの時間は実際に答案を”書く”時間を設けていました。なぜなら実地試験は記述試験なので、誤字脱字があれば容赦なく減点されるからです。
もしも1点足りずに不合格となってしまった場合にその原因が、「漢字の間違い」だったらと思うとムカつきませんか?w
せっかくの貴重な時間を費やしているのですから、絶対に合格しましょう。そのために減点される要因やケアレスミスの要因を徹底的に潰すべきです。
またまた余談ですが、私は『竣工』を『峻工』と間違えて覚えていましたw
たまたま職場の先輩が気づいてくださって直前に直すことができました。
それぐらい、自身では気づかない誤字脱字というのが意外とあるものです。。
あと、施工経験記述は何を書くかを事前に決めて一字一句間違えずに書けるようにしておきましょう。
現場経験が乏しい(私がそうでした)方は、既に合格している上司や先輩に「こんな感じで書こうと思うのですが」と一度答案を添削してもらってください。私の場合は、近隣の会社に「試験マニア」と呼ばれている先輩がいて、その方に添削してもらいましたw
施工経験記述の記入見本
2023年4月現在、読者の方から「施工経験記述はどう書いたらいいですか?」というご質問を複数いただいております。
経験記述は、読んで字のごとく「施工の経験を記述するもの」なので、ここに記入見本を書くことは当初予定していなかったのですが、「経験があっても文章にできません」、「実際に合格した人がどういう感じで書いているのか見たい」という切実な声をいただきましたので、私が書いた経験記述を可能な範囲でここに載せたいと思います。
ただし、以下の2つにご注意頂いた上でご利用ください!
①自身の経験を書くものなので、参考程度にする。
②ここに書いてあることをそのまま書くのはNG
2023年4月現在、この記事はGoogleで『浄化槽設備士 ブログ』と検索したらトップに表示されるようですので、浄化槽設備士受験者の多くの方がこの記事を読んでいると思われます。おまけに試験委員の方も数名は読んでいるかもしれません。
よって、ここに掲載した例文をそのまま使えば「あー、あの記事の転載ね!減点!」となる可能性がありますので、十分ご注意ください。
まずは施工経験記述がどのような形で出題されるのかを見ていきます。
~施工経験記述の出題パターン~
あなたが最近たずさわった浄化槽工事について、次の事項を記入しなさい。
(1)工事名称 (例:○○邸新築工事など)
(2)工事場所 (例:○○県○○市など)
(3)完成時期 ( 年 月)
(4)浄化槽の構造方法による区分(該当するものを一つ選び○印を付けなさい。)
ア 国土交通省(旧建設省)告示に示された例示方式
イ 日本農業集落排水協会型又は地域資源循環技術センター型(JARUS型)
ウ 上記以外
(5)建築用途 (例:事務所、住宅、共同住宅、農業集落排水施設など)
(6)処理対象人員(人)
(7)処理方式 (方式)
(8)性 能
ア 放流水のBOD(mg/L)
イ その他の性能(例:BOD除去率○○%など)
(9)この浄化槽工事を施工した際の工程管理及び安全管理、品質管理について、講じた措置又は対策を簡潔に記述しなさい。
実地試験は全3問で構成されるのですが、3問目で出てくる施工経験記述は毎回このパターンです。
これに関しては試験当日にぶっつけ本番で書くのではなく、何を書くかをあらかじめ準備しておいて、本番では100%一字一句間違えずに書けるぐらいにしておいた方が良いです。
記入見本を下記に記します。
(1)工事名称:○×邸改築工事に伴う合併浄化槽設置工事 ←現場名そのまま。公共工事は正式名称。
(2)工事場所:○○県××市 ←市町村までで良い
(3)完成時期:令和○年×月 ←なるべく最近(1年以内)の工事が良い
(4)浄化槽の構造方法による区分:ウ 上記以外
(5)建築用途:2世帯住宅 ←「住宅」とか「事務所」とか立ち会った現場をそのまま書く
(6)処理対象人員:10人槽(2.0㎥/日) ←無理して大型槽を書く必要はない
(7)処理方式:接触ろ床方式 ←実際に据え付けた浄化槽の仕様を見て書く
(8)性能:ア 放流水のBOD:20mg/l
(9)この浄化槽工事を施工した際の工程管理、安全管理、品質管理について、講じた措置又は対策を簡潔に記述しなさい。 ←実際にはこの3つのうち2つが出題されるが、3つとも書けるように準備しておく
(工程管理)
不測の降雨および湧水により、掘削工事が遅れたため工程の調整が必要となった。そのため作業日程、工程進捗を確認し、作業班を2班に分けて同時施工を行った。また、工程表を作成して全員に朝礼時に周知して終礼時に進捗状況を共有することによって、調整後の計画通りに工事を終えることができた。
(安全管理)
浄化槽搬入の現場が駅の近くであったため、通勤・通学の時間帯を避けて搬入することとした。搬入作業中の接触事故防止のため、第三者が近づけないように監視員を配置し、吊り上げ時は防護柵を設置して作業範囲内を立ち入り禁止とした。結果として事故等は一切なく無事に工事を終えることができた。
(品質管理)
浄化槽本体の搬入時に型番および仕様の確認をおこなった。その際は製作図および仕様書を手に持ち、また、損傷箇所等がないかの点検を2名で行い、水張り試験時に漏水がないことを確認した。満水から24時間後に漏水試験を行い、漏水がないことが確認できた。
これは私の会社の先輩から聞いた話ですが、施工経験記述は「○○という問題があったので、××という対策をした。その結果無事に対処できた」というパターンで書くのが良いそうです。
実際に私は上記のような答案を書いて合格していますので、答案の雰囲気はこんな形でも合格ラインということを認識してもらえればと思います。
本番はとにかく落ち着いて!
ちなみに実地試験本番は、1問目でまったく見たことない問題が出ました。
パターン学習で乗り込んでいた私は正直焦りましたが、一旦冷静になって施工経験記述を完璧に書いて、2問目が過去問そのままだったので、改めて1問目を解いてみると、案外解きやすい問題であったことに気づきました。
なんとなくですが、学科試験も実地試験も1問目とか最初の方の問題で難しそうな問題を並べて、途中からは解きやすい問題とか頻出問題を多く出す傾向にある気がします。
これは完全に私の邪推ですが、序盤で”試し受験の人”(会社からの命令でいやいや受験している人等)をビビらせて、戦意喪失させる狙いがあるのではないかと思います。ちなみに私はあまのじゃくなので、学科試験は50番から順に解きましたw
とにかく試験本番は落ち着いて解くことが大事だと思います。
ぜひ頑張ってください!!